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日付の誤り修正

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 6月25日(水)09時45分35秒
   2つ下の問題の表題は、正しくは、
  「6月24日の」ではなく、「6月25日の」でした。訂正します。
 

LS2005のリンクを復活

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 6月25日(水)08時49分50秒
   3つ下の問い合わせを受けた機会に隠しページをやめて、リンクを復活させました。『民法総合・事例演習』を出版してから2年近くが経ち、もう問題はなくなったと判断したからです。  

6月24日のゼミの検討問題

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 6月25日(水)01時50分45秒
   次の事例は、実際に争われた裁判の事実を簡略化したものである。これを読んで、裁判所が下記の【問1】および【問2】にどのように答えたかを考えなさい。

【事例】
 病院を経営する財団法人であるXは、その所有する甲地を、その一帯の地上げを計画していたグループの一員であった不動産業者A(代表者B)に売却し、代金3千万円の受領後に移転登記手続をした。この売買契約の交渉や締結には、Xの事務局長Cや理事長Dではなく、Dから依頼を受けたDの従兄弟のEが当たっていた。

 Aは、甲地のほか隣接する本件土地(病院の建物に著しく近接した傾斜地)の売却をも希望したが、Eは承諾しなかった。そこで、Bは、Xの所有土地の整理を依頼されていた土地家屋調査士Fを使って、虚偽の理由を示した理由書を示し、「上記売買契約によって買い受けたはずの土地の一部が登記簿上は本件土地に含まれているため、本件土地を分筆して移転登記を行う必要がある」と虚偽の説明を行い、Eや、Eから連絡を受けたCを信用させた。Bは、分筆登記に必要な登記委任状であると称して、Cに再度甲地の登記委任状を交付させた。Cは、当時Fによる近隣土地の分合筆登記が頻繁に行われていたこと、土地家屋調査士としてのFの言動を信用したこと、Eからも登記委任状への署名の依頼があったことなどから、どの土地についての委任状かを厳密に確認しないで、かつ、すでに一度登記委任状を交付していたのを失念して二重に一部空欄の登記委任状を交付してしまった。BとFは、空欄を別のタイプライターを用いて勝手に補充したり文言を付加して登記委任状や念証を変造し、XA間に甲地と本件土地を1億8000万円で売買する契約書があったように見せかけ、Dの名前の三文判を使って移転登記をした。BやFは、本件土地はもちろん、Cに対して甲地についての所有権移転登記を完了した事実も報告しなかった。

 その後、Aは、本件土地を不動産業者Y(元は電子部品販売会社であったが不動産業に手を染め、この地域の地上げグループに参加していた)に4億8千万円余で転売し、代金額の約90%を受領した。事情を知らない司法書士の手によって、移転登記が行われた。Y(の代表者)は、訴外仲介者を信頼し、また、XがAに本件土地を売却したことを示すX名義の偽造念証等の写しを渡され、本件土地につきAへの移転登記が既になされていることを確認したため、Aを所有者だと信じた。そのため、Yは、転買契約に際して、本件土地の具体的な現地見分をせず、Bに直接会って所有権移転の事実を確認することもしなかった。

 さらにその後、Xは、本件土地がYに移転登記されていることを知り、Yを被告として、本件土地について、真正な登記名義の回復を原因とする所有権移転登記手続を行うよう求めた(なお、BやFは刑事訴追を受け、Fについては有罪が確定している)。AがY側に補助参加した。

【問1】 Xには94条2項を類推適用するに足る帰責性があるか。
【問2】 仮にXに帰責性があるとした場合、Yは保護に値する第三者か。
 

2005年度の試験講評

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 6月25日(水)01時41分53秒
   2005年度に使用した問題は、『民法総合・事例演習』にまとめる際に、相当改変しました。そのため、2005年度のページの質疑応答等を安直に参照されると混乱が生じるおそれがありますので、この年度のページは、隠しページにしております。

 解答例と解説は、下記のurlをコピーして、直接ジャンプしてみてください。

http://www.matsuoka.law.kyoto-u.ac.jp/Lecture2005/LawSchool/Exam.htm
 

2005年度 民法総合3 講評について

 投稿者:法科大学院生  投稿日:2008年 6月22日(日)21時27分37秒
  2005年度の民法総合3の講評について
自習室の閲覧コーナーで確認したところ
解答例と解説をホームページに掲載しているということですが見当たりません
どこに掲載されてますか? 教えてください
 

オープンコースウェア総長懇談会のご案内

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 6月12日(木)19時23分56秒
  京都大学オープンコースウェア総長懇談会のお知らせ
 ※学生は19時以降の懇親会には参加できません。

日時2008年6月23日(月) 17:00〜19:00
場所:京大会館

17:00 - 18:30   懇談会 (101号室)

17:00
尾  池    和  夫      総長挨拶
松  本         紘      理事・副学長(次期総長) 挨拶
村  上    憲  郎      氏      (Google Japan代表取締役社長)「OCW@KUとのコラボレーション」
美  濃    導  彦      教授   (学術情報メディアセンター センター長)「OCW@KUの未来」

17:30  OCW掲載の先生方によるリレー事例紹介(あいうえお順)
赤  松    美  紀      准教授 (農学研究科)● 薬学部/有機化学V
芦  名    定  道      准教授 (文学研究科) ● 文学部/キリスト教学への招待
安  藤    耕  司      准教授 (理学研究科化学専攻) ● 全学共通科目/基礎物理化学A
奥  乃         博      教授    (情報学研究科) ● 工学部/アルゴリズムとデータ構造入門
奥  野    恭  史      准教授 (薬学部) ● 薬学部/応用バイオインフォマティクス
金  子    周  司      教授    (薬学研究科) ●薬学部 /臨床薬物学
北  野    正  雄      教授    (工学研究科) ● 全学共通科目/自然現象と数学(電気電子工学科)
九  後    太  一      教授    (基礎物理学研究所 前所長) ● 湯川秀樹先生のオープンコースウェア
黒  木    裕  士      教授    (医学研究科) ● 医学部/地域理学療法学概論
小山田   耕  二      教授    (高等教育研究開発推進センター) ● 全学共通科目/研究の世界A
近  藤         直      教授    (農学研究科) ● 農学研究科/生物機械計測学
佐  藤    裕  一      助教    (工学研究科) ● ジュニアキャンパス/建築学:メキシコ地震に学ぶ 1985
末  松    千  尋      教授    (経営管理研究部・教育部) ● 経済学研究科/IT ビジネス・マネジメント
鈴  木    在  乃      講師    (理学部国際交流室) ● 全学共通科目/理系の日本語A
竹  沢    泰  子      教授    (人文科学研究所) ● 全学共通科目/人文研アカデミー 人種の表象とリアリティ
中  山    健  夫      教授    (医学研究科) ● 医学研究科/社会健康医学基礎スキルI:文献検索・評価法
林             晋      教授    (文学研究科) ● 文学部/形式化の問題(前半)
土  佐    尚  子      教授    (学術情報メディアセンター) ● 情報学研究科/カルチュラル・コンピューティング
松  岡    久  和      教授    (法学研究科) ● 法学部/民法V(親族・相続法=家族法)
若  村    智  子      准教授 (医学部人間健康科学科) ● 全学共通科目/生体リズムと健康

 参加ご希望の方は、6月20日(金)までに、FAXまたはE-mailで下記にお申し込みください。

FAX: 075-753-9081
E-mail: request-ocw@media.kyoto-u.ac.jp
問い合わせ先 OCWプロジェクト: 075-753-9081 (TEL&FAX)
 

6月11日のゼミについて

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 6月11日(水)12時59分30秒
   写真撮影を忘れないよう参加してください。
 以下の文書は、印刷して配布しますが、事前にレジュメを読んで予習される場合には参考にしてください。

                    第10回ゼミのチェックポイント
                                                                       本日のゼミのテーマ「譲渡担保」の報告は、「集合財産譲渡担保」を除いて、基本形である不動産と個別動産に限定してはいますが、それでもかなり分量が多く、コンパもセットされていることから、具体的問題の検討は時間的に無理だろうと思います。そこで、今回の報告に即して、とくに学習していただきたいチェックポイントを挙げておきたいと思います。また、参考文献リストにはないですが、私も、田井義信=岡本詔治=松岡久和=磯野英徳『新 物権・担保物権法〔第2版〕』(法律文化社、2005年)で譲渡担保について論じており、今日述べることは、おおむね同書に書いてありますので、適宜ご参照ください。

01 譲渡担保の定義は、所有権的構成(より正確には、所有権以外の財産権についても妥当するので、権利移転的構成)と担保(権)的構成で同じか。
02 譲渡担保と売渡担保の区別はどこにあるか。現在もその違いは意味があるか。
03 譲渡担保が用いられる理由を3点に整理しなさい。
04 (難易度が高い質問)判例は、譲渡担保につき、権利移転的構成を維持しているか。それとも、それを基本にしながら担保権的構成に歩み寄っていると見ることができるか。
05 学説の多くが、判例に反対して担保権的構成を主張するのは、なぜか。
06 担保権的構成を採るときには、実質は担保なのに法形式上は権利移転となることは、虚偽表示に当たらないのか。
07 譲渡担保は、質権に関する344条・345条・349条などの脱法行為として無効ではないか。脱法行為ではなく有効であるとするのは、どういう理由か。
08 不動産譲渡担保の効力の及ぶ範囲については、どういう条文を根拠に判断されるか。
09 譲渡担保の目的物である動産が転売された場合、譲渡担保権者は、転売代金債権にも物上代位により譲渡担保の効力が及ぶことを主張できるか。これを否定する考え方が理由とするのはどういう点か。
10 (不動産)譲渡担保によって担保される債権の範囲については、どういう条文を根拠に判断されるか。
11 動産につき譲渡担保を設定したが、引き続き目的物を占有・利用する者は、どういう権利に基づいて占有・利用ができるのか。仮にそれが譲渡担保権者=債権者に移転した目的物を賃借する契約であった場合、譲渡担保権者は、賃料不払により賃貸借契約だけを解除して、目的物の引渡しを請求することができるか。
12 (不動産)譲渡担保目的物を設定者が目的外使用したり、譲渡担保権者が弁済期前に他に処分した場合、責任追及の根拠は、権利移転的構成と担保権的構成で異なるか。
13 目的物の違法な処分が問題となる場面は、不動産と動産で同じか違うか。
14 不動産の譲渡担保において、登記名義を取得した譲渡担保権者が、目的不動産を第三者に譲渡することは、設定者との関係で常に違法な処分となるか。(ヒント)弁済期前の処分、弁済期到来後受戻権行使前の処分、受戻権行使後の処分で同じか。
15 不動産譲渡担保権者によって目的物が処分された場合、第三者と設定者がどのような関係に立つかについては、譲渡担保の法的構成によって違いが生じるのか。
16 第06問で譲渡担保が虚偽表示に当たらないとする見解では、そのような理由付けと、第三者保護のために民法94条2項の類推適用によることには、矛盾はないか。
17 判例の見解によると、第三者が設定者との関係で背信的悪意者であるか否かは、常に問題になるのか。
18 不動産の譲渡担保権者が倒産した場合、設定者は目的物を取り戻せるか。譲渡担保の法的構成によって答えに違いが生じるか。
19 譲渡担保目的物を第三者が故意に破壊した場合、損害賠償請求権を有するのは誰か。譲渡担保の法的構成によって答えに違いが生じるか。
20 ある動産をXに対して譲渡担保に供した債務者Aが、同一の動産をYに対しても譲渡担保に供した場合、XとYの関係はどうなるか。譲渡担保の法的構成によって答えに違いが生じるか。
21 ある動産をXに対して譲渡担保に供した債務者Aが、その債権者Yから差し押さえを受けた場合、Xはどういう権利主張ができるか。譲渡担保の法的構成によって答えに違いが生じるか。
22 ある動産をXに対して譲渡担保に供した債務者A会社が倒産した場合(破産・会社更生・民事再生)、Xはどういう権利主張ができるか。譲渡担保の法的構成によって答えに違いが生じるか。
23 現在では、譲渡担保権者は、担保権を実行した場合、一般的に清算義務を負うが、その清算方法にはどのようなものがあり、また、譲渡担保権者は清算方式を選択できるのか。
24 譲渡担保設定者の受戻権とはどういう権利で、いつまで受戻権が認められるのか。不動産譲渡担保の場合、仮登記担保法の規定は類推適用されるのか。
 

5月28日及び6月4日のゼミについて

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 5月27日(火)23時43分16秒
   28日の第8回の物上代位は、報告のレジュメの分量22頁を考慮すると、報告と質疑で正確な判例・学説状況を理解するだけで、時間一杯になると想定されます。そこで、28日には練習問題の検討は行わず、次回の6月4日に松岡が新司法試験考査委員会議で東京出張し自習となる回に、物上代位の練習問題の検討と、最終回の山本敬三ゼミとの対抗討論会の立論者5名の選出をお願いしたいと思います。


《練習問題》
 1992年3月2日(月)、Xは、Aがその所有している更地甲の上に賃貸用のオフィス・ビル乙を建設する資金として、利率年利8%、20年間で分割返済とする約定で50億円を融資し、甲に抵当権の設定を受け、登記を備えた。
 他方、Yは、他のテナントと同様に、1992年6月1日(月)までにAに、建設協力金5,000万円を預託した。その契約によると、建設協力金のうち3,000万円は、完成する乙ビルの入居保証金に振り替え、残りの2,000万円は、無利息でそのままAがYから貸与を受け、2007年6月1日から毎年200万円ずつ分割して10年間で返済する、と定められた。
 乙ビルは、1993年7月2日(金・大安)に竣工し、Aは、同日建設業者に残代金を支払って乙の引渡しを受けて所有権保存登記を行い、さらに、Xに追加共同抵当権を設定し、Xはこの登記も備えた。そして、翌7月3日、AはYと、賃料月額300万円、前月末日支払、入居保証金3,000万円(建設協力金の一部を振り替える)、期間20年の約定で乙の1階の一部について賃貸借契約を締結し、Aは直ちにYに当該部分を引き渡した。
 2004年7月1日(木)、経営状態の悪化したAに懇請されて、Yは、期間1年、年利3%、元利一括返済の約定で、運転資金1,000万円をAに無担保で融資した。Aの経営は、これによって危機を脱した。
 2005年頃からAの経営状態が再び悪化し、2007年6月1日の第1回建設協力金返還時期に、Aは200万円をYに返還することができなくなった。そこで、AとYが協議し、建設協力金・貸付金と保証金・賃料につき、下記のような特約を行った。
 1 Yは、第1回建設協力金と貸付金の返還を1年間猶予する。Aは、その対価として、80万円をYに支払う。
 2 Aが2008年6月1日までに2回分の建設協力金400万円と貸付金元本1,000万円を返済しないとき、または、Aに対して差押え、滞納処分、破産、会社更生、民事再生の申立てがなされたときは、Aは建設協力金2,000万円全額につき期限の利益を喪失する。
 3 ***(下記のとおり、ここが設問によって異なる)


 2008年2月末、Aは事実上の倒産状態に陥り、以後、Xに対する返済(残債務約13億円)も、Yに対する返済もできなくなった。2008年5月15日、Xは、抵当権の物上代位に基づき、AのYに対する賃料債権を差し押さえ、Yに対して、以後直接Xに賃料を支払うよう求めた。現在時点は2008年6月4日とする。

 問1 上記特約が次のようなものであった場合、Yは賃料債権の支払を拒めるか。拒めるとすればいつまで拒めるか。
    「3 前項の規定によりAが期限の利益を喪失したときは、保証金返還請求権も弁済期が到来するものとし、XはAに対する合計6,000万円の反対債権と毎月の賃料300万円を、相殺の意思表示をその都度行うことなく、相殺することができる。」

 問2 上記特約が次のようなものであった場合、Yは賃料債権の支払を拒めるか。拒めるとすればいつまで拒めるか。
    「3 前項の規定によりAが期限の利益を喪失したときは、XがAに預託してある保証金3,000万円を順次Xの賃料債務に充当するものとし、充当が全部終了した後は、XはAに対する合計3,000万円の反対債権と毎月の賃料300万円を、相殺の意思表示をその都度行うことなく、相殺することができる。」
 

5月21日のゼミ検討問題で

 投稿者:岡本 哲  投稿日:2008年 5月23日(金)00時20分43秒
    これも倒産処理法を勉強しているひとでしたら破産法の改正前後での否認権の行使のありかたとの変化とか、債権者破産の申立の可否とか、復習しておきたいですね。
  なお、連鎖倒産防止のための手だてが印刷業者A社にはいろいろあったわけで、経営責任追及の問題もありえましょう。
 

5月21日のゼミの検討問題

 投稿者:松岡 久和  投稿日:2008年 5月21日(水)12時05分15秒
   印刷業者A社は、業績不振を打開するため、B銀行から工場の土地建物に抵当権を設定して5,000万円の融資を受け、本件高速特殊印刷機甲を購入した。ところが、その後も業績は向上せず、Bへの利息の返済や機材納入業者Xへの支払が滞りがちになった。2007年5月14日、Xから支払を強く求められたAは、Xとの間で、それまでの未払い買掛代金債務総額1,000万円を消費貸借の目的とすること、元本の返済期限を2008年5月14日、利息年利7%、遅延損害金年利14%とすることを合意した。同日、Aは、この債務と今後1年間の間にXとの取引により発生すると見込まれる買掛代金債務を担保するため、甲(時価3,500万円相当)の所有権をXに譲渡した。この契約に従って、Xは甲を引き続き無償でAに使用させた。甲へのネームプレート等の設置は行われていなかった。

 2007年12月末に、Aのある得意先が倒産し、かなり多額の売掛代金債権が回収困難となったことから、Aの経営状態はますます悪化した。この時点でAのXに対する債務は、2,000万円前後であった。2008年2月10日、Aは、金融業者Yから、運転資金として1,500万円を期限5月10日、利息年利15%、遅延損害金年利21.9%の約定で借り受け、この債務の担保のため、甲をYに譲渡したが、Xとの契約の場合と同様、引き続き甲を使用して営業を続けていた。甲には、「Y社所有・住所・連絡先」を記したネームプレートが貼られた。

 2008年5月10日、AがYに対する債務を弁済できなかったことから、翌11日、Yは、同社の従業員をA社に送って、担保権の私的実行であるとして甲を持ち去った。動転したA社の社長・従業員らは、Yに対して清算金の支払を求めることなく、甲の搬出を呆然と見送った。

 2008年5月21日、Xが、甲を占有するYに対して、所有物返還請求を行ったところ、Yは、甲は、Yが甲の所有者Aに対する担保権の実行として引渡しを受けたものであり甲の所有権を承継取得している。仮にすでにXが甲の所有者となっていたとしても、占有者Aを所有者と過失なく信じたものであり、即時取得により所有権を取得している、と主張した。Xは、Yはいわゆる名うての街金であり、Xの権利取得の状況を知っていただろうと確信していたが、弁護士と相談すると、ガードの堅いYの悪意や過失を立証することは非常に困難だと助言された。

 判例の見解に立ったとき、XのYに対する訴訟は、勝訴できる見込みがあるか。
 

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