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28日の第8回の物上代位は、報告のレジュメの分量22頁を考慮すると、報告と質疑で正確な判例・学説状況を理解するだけで、時間一杯になると想定されます。そこで、28日には練習問題の検討は行わず、次回の6月4日に松岡が新司法試験考査委員会議で東京出張し自習となる回に、物上代位の練習問題の検討と、最終回の山本敬三ゼミとの対抗討論会の立論者5名の選出をお願いしたいと思います。
《練習問題》
1992年3月2日(月)、Xは、Aがその所有している更地甲の上に賃貸用のオフィス・ビル乙を建設する資金として、利率年利8%、20年間で分割返済とする約定で50億円を融資し、甲に抵当権の設定を受け、登記を備えた。
他方、Yは、他のテナントと同様に、1992年6月1日(月)までにAに、建設協力金5,000万円を預託した。その契約によると、建設協力金のうち3,000万円は、完成する乙ビルの入居保証金に振り替え、残りの2,000万円は、無利息でそのままAがYから貸与を受け、2007年6月1日から毎年200万円ずつ分割して10年間で返済する、と定められた。
乙ビルは、1993年7月2日(金・大安)に竣工し、Aは、同日建設業者に残代金を支払って乙の引渡しを受けて所有権保存登記を行い、さらに、Xに追加共同抵当権を設定し、Xはこの登記も備えた。そして、翌7月3日、AはYと、賃料月額300万円、前月末日支払、入居保証金3,000万円(建設協力金の一部を振り替える)、期間20年の約定で乙の1階の一部について賃貸借契約を締結し、Aは直ちにYに当該部分を引き渡した。
2004年7月1日(木)、経営状態の悪化したAに懇請されて、Yは、期間1年、年利3%、元利一括返済の約定で、運転資金1,000万円をAに無担保で融資した。Aの経営は、これによって危機を脱した。
2005年頃からAの経営状態が再び悪化し、2007年6月1日の第1回建設協力金返還時期に、Aは200万円をYに返還することができなくなった。そこで、AとYが協議し、建設協力金・貸付金と保証金・賃料につき、下記のような特約を行った。
1 Yは、第1回建設協力金と貸付金の返還を1年間猶予する。Aは、その対価として、80万円をYに支払う。
2 Aが2008年6月1日までに2回分の建設協力金400万円と貸付金元本1,000万円を返済しないとき、または、Aに対して差押え、滞納処分、破産、会社更生、民事再生の申立てがなされたときは、Aは建設協力金2,000万円全額につき期限の利益を喪失する。
3 ***(下記のとおり、ここが設問によって異なる)
2008年2月末、Aは事実上の倒産状態に陥り、以後、Xに対する返済(残債務約13億円)も、Yに対する返済もできなくなった。2008年5月15日、Xは、抵当権の物上代位に基づき、AのYに対する賃料債権を差し押さえ、Yに対して、以後直接Xに賃料を支払うよう求めた。現在時点は2008年6月4日とする。
問1 上記特約が次のようなものであった場合、Yは賃料債権の支払を拒めるか。拒めるとすればいつまで拒めるか。
「3 前項の規定によりAが期限の利益を喪失したときは、保証金返還請求権も弁済期が到来するものとし、XはAに対する合計6,000万円の反対債権と毎月の賃料300万円を、相殺の意思表示をその都度行うことなく、相殺することができる。」
問2 上記特約が次のようなものであった場合、Yは賃料債権の支払を拒めるか。拒めるとすればいつまで拒めるか。
「3 前項の規定によりAが期限の利益を喪失したときは、XがAに預託してある保証金3,000万円を順次Xの賃料債務に充当するものとし、充当が全部終了した後は、XはAに対する合計3,000万円の反対債権と毎月の賃料300万円を、相殺の意思表示をその都度行うことなく、相殺することができる。」
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